今回は非常に有名なホラー漫画家の1人でもある、伊藤潤二先生の「うずまき」をご紹介します
ホラー漫画という枠には収まらない本作の魅力を少しでもお伝えできれば幸いです!
※ネタバレ無しで書いておりますのでご安心ください
作品紹介
書籍情報
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ビッグコミックスピリッツ |
発表号 | 1988年7号-1999年39号 |
巻数 | 全3巻 |
作者について
作者 | 伊藤 潤二 |
生誕 | 1963年7月31日 岐阜県 中津川市 |
ジャンル | ホラー漫画 |
代表作 | 『富江』『死びとの恋わずらい』『うずまき』 『ギョ』『憂国のラスプーチン』 |
受賞歴 | 2019年:アイズナー賞最優秀コミカライズ作品賞(『フランケンシュタイン』) |
「漫画のアカデミー賞」とも呼ばれるアイズナー賞を受賞した実力派の漫画家です
数多くの名作の中でもデビュー作『富江』は、作品を読んだ事が無くとも見たことがあるキャラクターでは無いでしょうか?
ちなみに作者はホラー漫画家でありながらお笑いが好きで、本作にも笑いのエッセンスが散りばめられています
(笑いといってもダークな笑いですがw)
映画化
2000年には実写映画化もされております
私も観た記憶があるのですが、摩訶不思議な世界観で強く記憶に残った作品でした(トラウマとも言う)
ちなみに本作は様々なアーティストのMVを担当するHiguchinskyの初監督作品だったりします
さらにはアニメ化も!?
『UZUMAKI』のタイトルでアメリカにてアニメ化されるようです
いきなり海外でアニメ化とは凄い・・
全米公開は2022年10月予定とのことで、国内での放送/配信については未定
是非とも日本でもアマプラなどで配信して欲しいものです!
あらすじ
女子高生の五島桐絵は、隣町の高校に通う斎藤秀一を駅に迎えに行く途中、路地に座り込んで壁をじっと見つめている秀一の父親を見つけた。彼は桐絵のあいさつにも気付かない様子で、壁にはりついたカタツムリの殻を見つめ続けていた。駅で秀一を出迎えた桐絵は、彼にさっきの出来事を話すが、秀一はその話題を避けた。公園で秀一は、自分の住む街、黒渦町に嫌悪を抱き始めていることを打ち明ける。帰り道、秀一はつぶやく。「渦…渦だ…うずまきだ…このまちはうずまきに汚染され始めている …」
出典元 小学館:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091857217
あらすじを読んだだけでも不穏な雰囲気が満載ですね!
「うずまきに汚染る」とはいったい・・
感想
ホラー漫画と敬遠しないで欲しい
漫画作品として、これほど完成度の高い作品は中々出会えないと思います
全3巻とコンパクトであるにも関わらず壮大な物語を描き尽くしてあり圧巻でした
身近で起きた不可思議な出来事から始まり、伝染していくように様々な怪異が発生していきます
主人公とテーマである「うずまき」は物語の柱としてありつつも、これら怪異がそれぞれ独立したエピソードとなっており、単体作品か?と思うレベルで面白いんです!
勿論、各エピソードに伏線の様な物も散りばめられており、読者は主人公と共に「うずまき」の謎に迫っていき、やがて町1つを舞台にした大きな怪異へ発展していく事になります
その謎の正体については、ラストでしっかり明かされるのでご安心ください
登場する様々な怪異の個性が強すぎる
前記の通り、主人公は様々な怪異に遭遇するのですが、その怪異の個性が強過ぎて面白いんですよ
ネタバレになるので一部だけを軽くご紹介
- うずまきマニア
- 第1話に登場する主人公の恋人の父親
「うずまき」に夢中で様々なうずまきグッズを集めている
その行為はエスカレートしていき・・
- 巻髪
- ある日、主人公の髪が急に巨大な巻き髪となり、その巻き髪を見る人を魅了してしまう
目立つ主人公に嫉妬した、同じ巻き髪を持つライバルが登場し・・
- ヒトマイマイ
- 主人公のクラスには雨の日にしか出席しない同級生がいる
彼は動きが鈍く、いつもびしょ濡れで登校してくる
ある日、彼の背中は異様に膨らんで「カタツムリ」の様であった・・
- 台風1号
- 台風の目の直径が異常に小さく、地上からはっきり見える台風
主人公と目が合った事で、主人公に恋をする(←!?)
- 怪異じゃないけどモブキャラ達
- 様々な怪異を目の当たりにして、動揺しつつも受け入れる柔軟さを持ち合わせているモブキャラが最高です
「それどころじゃないやろ!」みたいな事を平然と受け入れたりするのがシュールな笑いに繋がります
まとめ
べた褒めしましたが、やはりホラー描写は多いので苦手な方にはオススメしませんが、間違いなく日本を代表する名作漫画の1つでしょう!
耐性がある方には是非読んで頂きたい作品です