レビュー

【不条理文学】カフカ「変身」あらすじと感想レビュー

今更ながらカフカの「変身」を手にとってみました
前々から興味はあったものの今まで読む機会を何となく逃していました

そんな中、「ALTER EGO」というスマホゲームの中でカフカの変身が登場しており、そう言えば読んでいなかったなぁーと思い軽い気持ちで読むことになりました
(このゲームは、無料かつ高クオリティで非常に面白いので是非!)

さて不条理文学とは一体どんな物なのか!?
レビュー書いていきます!

作品紹介

書籍情報

出版社クルト・ヴォルフ社
著者フランツ・カフカ
発売日1915年12月
ページ数51ページ
価格定価:無料で購入可能

ページ数は51ページと非常に短い小説となっています
Amazon Kindle版であれば無料で購入できるので、未読の方は是非!

作者について

Kafka.jpg
出典:wikipedia
氏名フランツ・カフカ
生涯1883年7月3日-1924年6月3日(40歳没)
出身国オーストリア=ハンガリー帝国領
(現在のチェコ)
代表作変身、審判、城

晩年は病に苦しみ40歳という若さでこの世を去った作家ですが、存命中に多くの作品を残しました

日本人が思い浮かぶカフカと言えば、村上春樹の「海辺のカフカ」ですよね!
村上春樹は勿論のこと、後世多くの作家に影響を与えた作家なんですね

私は今回が初カフカ作品だったので、他の作品も読んでみようと思っています

あらすじ

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか…。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

「BOOK」データベースより

「朝、目覚めると虫に変わっていた男の話」というキーワードは知っていましたが、人間サイズの巨大な虫になるとは思っていなかったので驚きましたw
(小さなイモムシを想像していました)

何の「虫」に変身したのか?

作中では何の虫に変身したのかは作中ではボカして書かれています
描写としては以下のような物です
・1匹の巨大な害虫に変わってしまっている
・甲羅のように硬い背中
・茶色の腹
・たくさんの足

ボブ
ボブ
皆さんはどんな虫を想像しましたか?私はゴキ・・はい、とにかく嫌ですね・・

主人公は家族の為に頑張る好青年

主人公「グレーゴル」は家族を支える為に日夜必死で働いています

負債を抱えた父親、喘息持ちで働けない母親、バイオリンが好きな妹を音楽学校へ通わせたい・・

そんな主人公が何かの罰という訳でも無く、いきなり虫になるストーリー・・
これが自分だったら絶望しますね・・

追い打ちを掛ける家族の対応

虫になった主人公に対して家族の対応はとても冷ややかでした
母親は気絶し、妹は泣き出し、父親はステッキを振り回し主人公を自室へ追いやる
その後ストーリーが進んで行くとますます扱いは酷くなっていきます

これまで家族を支えてきた主人公が虫になった途端に嫌悪される状況
大切に想っていた妹さえ、主人公を「見捨てるべき」と言い出す始末・・

果たして主人公に救いはあるのか!?
是非結末はご自身で読んでみて下さい

陰湿な小説なんて読みたく無いけど結末は知りたい!というワガママな貴方様向けにWikipediaをオススメします。あらすじから結末まで端的にまとめて書いてあります
wikipedia:変身(カフカ)

感想

家族冷たいよ・・

さすが「不条理文学の名著」と言われるだけの事はありました
とにかく終始救いの無い話が展開されます

ラストは非常に爽やかな感じで締めようとしてますが、ちょっと待てと
「お前ら今まで主人公に支えて貰ってた癖に酷いな!」と家族の対応に怒りを覚える程でした

ネタバレになるので詳細は控えますが、何たる不条理!なぜこんな事が起こるんだ!と頭を抱える程に、読み終わった後の読了感は最悪でしたw

でも本音は?

でもね?考えてみるとどうです?
家の中に巨大な虫が居るんですよ?無理じゃないですか?

実は映画化もされてまして、読み終わった後に予告動画を見てみました
そして思ったのは・・

ボブ
ボブ
あーこれは無理だわ。。グレーゴルごめん!

文章ではボカして表現されている+主人公目線なので家族の対応に対する不条理さが目立ちますが、映像になるとキツイいなぁ・・と感じてしまいます
私も劇中に登場する家族達と同じでしたw

虫が苦手な方もいると思うのでリンクだけ貼っておきますね

カフカ「変身」劇場予告

考察

「虫になった可愛そうな男が酷い対応をされる話」という感想ではあまりに浅いと思うので、私なりの解釈を書きたいと思います

作品が執筆された1900年代と言えば、ペストが落ち着いたかと思いきや「結核」「スペイン風邪」など伝染病が猛威を振るっていた時代ですよね
有効な治療法が無い病に掛かった場合、働く事はおろか、家族にまで感染を広げてしまうリスクがあります

そんな「病に掛かり家族のお荷物になった状態」を「虫に変身する」という事で表現したのかな?と考えました

一見センセーショナルなストーリーですが、実は「労働問題」「看護/介護疲れ」「貧困」などを描いた極めて現代風刺的な作品だったのでは無いか?と思う訳です

ボブ
ボブ
深い考察は様々な方が行っているので、私の浅い考察はご容赦をw

まとめ

という訳でカフカ「変身」のレビューでした

陰湿で不条理、終始暗い雰囲気と苦手な方はとことん苦手な作品だと思います!

しかしながらコンパクトで非常に面白い作品でしたので、少しでも気になるなという方は是非トライしてみて下さい!

この記事で少しでも作品へ興味を持って頂けると嬉しいです!
他にも書籍レビュー記事を書いておりますので、是非ご覧下さいませ!

Kindle版なら無料で読めるので是非!


ABOUT ME
ボブ
30代/都内在住/長崎県出身/バツイチ/サラリーマン。これまで様々な趣味を嗜んできましたので、体験談や知識を発信していきます。好きな食べ物はサーモン、嫌いな食べ物はカボチャ。