レビュー

【52ヘルツのクジラたち】あらすじと感想レビュー【本屋大賞受賞作】

2021年本屋大賞受賞作として話題の「52ヘルツのクジラたち」を読了しました
本屋大賞は「全国の書店員が選ぶ売りたい本」として投票により選出されており、本屋大賞受賞作は間違いなく面白い小説と私は思っております

そんな話題の本作をあらすじと感想、解説も交えてレビューしたいと思います

※ネタバレ無しとなっておりますが、若干内容にも踏み込んでおりますので未読の方はご注意ください

作品紹介

書籍情報

出版社 中央公論新社
著者町田そのこ
発売日2020/4/18
ページ数260ページ
価格定価:1760円
ボブ
ボブ
非常に読みやすい文章なので、あっという間に読み終わるボリュームです
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作者について

氏名町田そのこ 
生誕1980年3月9日
福岡県
好きなものビール、コーヒー、ビターチョコレート
代表作カメルーンの青い魚
52ヘルツのクジラたち
受賞歴女による女のためのR-18文学賞大賞
本屋大賞
wikipedia調べ

これまで数多くの短編小説を中心に発表しておられ、本作は初の長編小説なんだとか(初めての長編で本屋大賞とは・・凄いです)

あらすじ

おかあさんが、大好きだった。

人生を家族に搾取されてきた女性と、
母親に「ムシ」と呼ばれている少年。
愛を欲し、裏切られてきた孤独な魂が出会い、新たな物語が生まれる。

出典:https://www.chuko.co.jp/special/52hertz/
ボブ
ボブ
あらすじからも悲しい物語の雰囲気が漂います・・

舞台は九州の大分県

この物語の舞台となるのは九州の大分県にある小さな海辺の街
東京から亡くなった祖母の家に引っ越してきた「キコ」が主人公です

他人と関わり合いたく無いと思い田舎に引っ越して来たのに、「都会から引っ越して来た訳アリの女」として注目され精神的に追い込まれる主人公

そこで運命の出会いを果たします

ボブ
ボブ
協力し合って生活をする必要のある田舎だからこそ、他人との関わり合いは深いものですよね(良くも悪くも)

言葉を話せない少年「ムシ」

精神的に追い詰められ、雨の中地面に蹲っていた主人公に傘を差してくれたのは、言葉を話せない少年「ムシ」でした

女の子だと思っていた長い髪は散髪されずに伸び放題になっているだけ
肋骨の浮いた痩せた体には沢山の痣が・・

そんな少年に主人公は「少し傍にいて欲しい。寂しくて死にそうだった」と優しく語りかけます

こうして、互いに心に深い傷を持つ二人は、ゆっくりと交流を深めていくことになります

感想

虐待、毒親、DVなど重い題材

あらすじから予想できる通り、本作の主人公は暗い過去を持っています
また引越し先で出会う少年は今まさにその闇の中にいます

徐々に解き明かされる主人公の壮絶な過去、少年の辛い現状など読んでいて苦しくなる場面もありました

これら題材が苦手だったり、トラウマがあるという方は避けた方が良いかもしれません

悲しく、じんわりと暖かい物語

とは言え本作は救いの無い話ではありません
むしろ本作は「救いの話」だったと思います

一見虐待を受けている少年を救う話だと思いましたが、主人公もまた少年に救われたのだと思います

周りの人たちも暖かく主人公と少年の為に必死で動いてくれます
人を助けるってこういう事だよなぁ」としみじみと思い、私も近しい人達が困った時は力になりたいと思わせてくれました
(特に友人の「美晴」は私が本作で一番好きなキャラクターでした)

ボブ
ボブ
さわやかな読了感のある、非常に良い作品でした

本編前日譚のスピンオフ短編もお見逃し無く

本の帯裏に本作の前日譚となるスピンオフ短編が書かれています
電子版で読めるかは分からないのですが、本書とお持ちの方は忘れずにお読み下さい
本作に登場するある人物の人柄が良く分かる短いながらも良いスピンオフですよ

ボブ
ボブ
私はブックカバーへ入れる際に表紙を外した時にたまたま気付きました・・危なかった

読書感想文の題材としてアリ

取り扱うテーマとしては前記した通り重たい話ではありますが、「助け合う事」や「人を慈しむ事」を学べるというと少し大げさかもしれませんが、少しでもその大切さを理解できると思いますので、読書感想文で取り扱うには良いかもしれません

作者が工夫しておられるのかスルスルと読みやすいので、中高生ならあっという間に読めてしまうと思います(時期的にはもう遅いかもしれませんがw)

52ヘルツのクジラとは?

本作のタイトルとなっている「52ヘルツのクジラ」とは調べた所、「正体不明の種の鯨の個体」とあり実在するクジラのようです

クジラが海の中で鳴いて仲間とコミュニケーションを取っている事は有名ですが、その鳴き声は通常10-39ヘルツと言われています

しかしその個体の鳴き声は52ヘルツであり、どの鯨の仲間にもその声は届く事は無く、それゆえ「世界でもっとも孤独な鯨」と呼ばれています

どこか本作の主人公達を思わせます
本作でもこの52ヘルツで鳴く鯨は重要なキーワードとなっております

まとめ

レビューサイトを覗くと「浅い」「ご都合主義」など辛辣なレビューもあります

確かに数多くの小説を読んでおられる読書家の方には不満な点もあるかと思いますが、普段小説はあまり読まないという方には非常におすすめできる作品だと思います

あまり斜に構えず、肩の力を抜いて楽しめば良いんです
私は非常に良い作品に出会えたなと思っております

本レビューが皆様の参考になれば嬉しいです!

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ABOUT ME
ボブ
30代/都内在住/長崎県出身/バツイチ/サラリーマン。これまで様々な趣味を嗜んできましたので、体験談や知識を発信していきます。好きな食べ物はサーモン、嫌いな食べ物はカボチャ。