本日は上橋 菜穂子 著「鹿の王 水底の橋」を読み終わりましたので、感想をつらつらとレビューしたいと思います
※ネタバレしないように心がけておりますが、多少は内容に踏み込んで書きます!
前作「鹿の王」のレビューはこちら!
書籍情報
著者:上橋 菜穂子
出版社:KADOKAWA
あらすじ
伝説の病・黒狼熱大流行の危機が去った東乎瑠帝国では、次の皇帝の座を巡る争いが勃発。そんな中、オタワルの天才医術師ホッサルは、祭司医の真那に誘われて恋人のミラルと清心教医術発祥の地・安房那領を訪れていた。そこで清心教医術の驚くべき歴史を知るが、同じころ安房那領で皇帝候補のひとりの暗殺未遂事件が起こる。様々な思惑にからめとられ、ホッサルは次期皇帝争いに巻き込まれていく。『鹿の王』、その先の物語!
出典元 KADOKAWA社 HP:https://www.kadokawa.co.jp/product/321912000316/
映画化も決定している「鹿の王」ですが、その物語の正統続編が本作となります
あらすじを見て分かる通り、本作では天才医術師ホッサルが主人公となります!
前作でも大忙しだったホッサルがまたトラブルに巻き込まれていきます・・頑張れホッサル!
感想:前作ファン納得の続編
まず「鹿の王」の続編、それも同じ登場人物で話を読めるという事に感謝申し上げたいです
(続編と言いながら前作の登場人物がチラッと描写されるだけだと寂しいじゃないですか)
勿論ホッサルが主人公ですので、前作から登場しないキャラクターはおりますが、十分満足です!
前作を「ファンタジー小説の皮を被ったゴリゴリの医療小説 」と評しましたが、本作はストレートに医療小説でございました
ただし物語の中で問われているのは「医療とは?」「信仰とは?」といった深い部分であったと感じます
前作でもホッサルは異なる流派の医療術に対して苦言を呈していました
特効薬があるにも関わらず、信仰を優先し使用を断る患者や異なる流派の医師・・
目の前の患者を治療する事が最優先というホッサルには理解し難い考え方でした
本作でも同じ様な、いやそれ以上の状況に遭遇していく事になります
(前作では謎の病が驚異過ぎてそれどころじゃない!って状況でしたもんね)
正直に申し上げると前作程には大きな盛り上がりは無かったのですが、やはり面白い
ホッサルが途中でブチギレ論破をしたり、恋人との関係に悩んだり、マコウカンは相変わらずイジられたりと、前作を読んでいるからこその楽しさがありました
むしろ続編である強みを生かして、世界観や人間関係に関する説明を省く事ができたからこそ、本編が無駄なく綺麗にまとめられたのだと思います
(この規模の話を新作で描こうと思うと上下巻に分かれるボリュームだったでしょうね)
もっと読みたい!鹿の王!
今回はホッサル視点での物語であったので、次は是非ともヴァン、もしくはユナの視点で続編を書いて頂きたいと上橋先生にはこの場をお借りしてお願い申し上げたい次第で御座います
という訳で短めではありますが「鹿の王 水底の橋」のレビューで御座いました
(ネタバレ無しだと当たり障りの無い内容になってレビューが浅いですね・・)
このレビューで興味を持って頂ければ嬉しいです!